Croy
AFTER STORY
Croy
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「えーい!待つのだ!ざーこ、ざぁーこ!ざぁあああああこ!」
傷を負ったクラッドが、巨体を引きずりながら逃げていく。
モヤの中に消えていく背中に、トドメの槍を投げつけようとして……クロイはふと、振り上げた手を止める。
白衣の機械人形がこちらを見ていることに気づいたのだ。
ただの自律行動する人形であれば別の世界で見たことがある。
しかしコイツの武装は、あの強固なクラッドにダメージを与えたのだ。
ただの物理攻撃ではない『魔法攻撃』。魔女以外が使用できるはずがない。
エラいヒトは、あやしいモノに近づかない。そんな言葉があった気がする。ここは一度退いて、情報を探るべきだろう。
……おじけづいたワケではないぞ!戦略的、そう、戦略的撤退なのだ!